ADOPT. Don’t shop. 買わないで。保護動物を迎えて。(アメリカで広がった保護動物キャンペーン)
動物愛護に関する人々の関心が高いアメリカ・カリフォルニア州。
全米で初めて、州全体で有効となるペット販売禁止の法律が施行された。
カリフォルニア州全域でペットショップでの販売規制
2019年1月1日、アメリカ・カリフォルニア州で “ペットショップで販売できるのは保護動物のみ” とする新法が施行された。
*可決は2017年10月。ペットショップへの猶予期間を経て施行された。
これにより、カリフォルニア州内のペットショップが扱える犬・猫・ウサギは動物保護施設から来たもののみとなり、これまでのようにブリーダーなどの繁殖業者から買い付けての販売はできない。

またペットショップは、販売する保護動物のこれまでの経緯と飼育状況を記録することが求められる。ペットショップではなく、ブリーダー経由での購入は引き続き可能だ。
同法律の狙いは、長らく物議をかもしてきたパピーミルやキティミルに代表される悪質な繁殖業者の減少・撤廃にある。
「ペットショップは販売のみを扱っていることから、繁殖施設からは一歩離れている。そのため、ペットショップは実際の繁殖状況は把握していないことが多い。」
全米に広がるペット販売禁止の動き
州全体で有効となるペット販売禁止の法律の適用は、全米でこれが初めて。カリフォルニア州に続き、ワシントン州やニューヨーク州、ニュージャージー州など他の州でも、全州にわたる法律の起案が検討されている。
アメリカ全体では、250を超える街や自治体でペットビジネスを取り締まる規制はすでにある。
例えば、ジョージア州の大都市アトランタもその一つ。昨年11月に施行された法律では、アトランタのペットショップでは保護された生後8週以上の犬猫のみを扱えるようになる。
ただし、以前から市民の保護動物への関心は高く、そもそもペットショップで犬猫を販売しているケースは稀であった。この法律はあくまで予防策となる。

悪質繁殖業者の取り締まり強化を
ただし、ペットショップでの販売禁止だけでは根本的問題の解決にはならない。
問題なのは、ペットショップでの販売そのものではなく、その裏にある、営利を優先するあまりに動物の命をないがしろにする悪質な繁殖業者がいることだ。
カリフォルニア州で施行された新法律の草案も、 “ケージは繁殖動物より6インチ(約15cm)以上大きく、週に1回以上清掃されること” とされる「あまりにも低く定められた繁殖場への政府基準」を問題視している。
しかし一方で、「カリフォルニア州の新法律は善意によるものではあるが、見当違い。ブリーダーを免許性にし、そのブリーダーが繁殖した動物を販売するペットショップにブリーダーの免許証の掲示を義務付けるほうが理にかなっている。」との意見もあり、本法律はペットショップにネガティブな影響を及ぼすだけとの懸念もあるという。
今後、アメリカ内でどのように動くか、引き続き注目される。
