シンガポールで3月15日〜17日に、ネコをアートとデザインで幸せにしようとするイベント、The 9 Lives Show 2019が開催された。
都市化が進んだ社会で、ネコとどう生きるか
このイベントでは9人の現在アーティストが、写真や絵などアートのジャンルは問わずに、「シンガポールの急激な都市化はネコにどのような影響を与えたか」をテーマにアート作品を展示した。

これらの作品は “都市化が進んだ社会で、ネコとどう生きるか” について、見るものに新しい視点や考え方を与えてくれると同時に、議論を投げかけるものだった。
保護猫活動を行う団体の代表は、「このイベントを通して、わたしたちがネコと人間にある強い繋がりを再認識し、どんなネコも帰るお家がある社会を思い描けるようになってほしい” と、お家のないホームレス・キャットがいない社会の実現に向けた願いを話した。

イベントで話題になった代表的な作品を紹介したい。
900匹のネコが訴えること

作品のタイトルは “No Room to Swing a Cat” (ネコを振り回す余地はない)。とってもインスタ映えしそうな作品だが、それに込められた強い思いがある。
900本のカラフルな糸と、捕獲器にぎゅっと詰まった900個のネコの目は、それぞれの糸は毎年シンガポールで殺処分される900匹のネコを表している。

彼らは街中を走り回り逃げ回って、ある時に捕獲器で捕まってしまった。彼らが社会に伝えたかったことは、なんだろうか。

どうしてそのネコなんだっけ?

カゴの周りに横たわる無数の様々なネコの模型、作品のタイトルは “Chapel of Discard” (捨てられた者の礼拝堂)。見る人たちでアクティビティに参加するアート作品だ。
参加者は、好きなネコの模型を一つ選び、どうしてそれを選んだのかを考える。
お家のなかったホームレス・キャットを、どんな欠点があろうともそれを “美しい” と思い、家族に迎える人々がいる。そんな、里親制度で出会うネコとの縁の有り難みを、改めて感じさせてくれる。

ネコと人はどう生きていけるか。アート作品で改めて考えさせられる。