猫がたくさんいる街は猫の街として人気だが、猫が多すぎる国はどうか。
猫密度は日本の約4倍
イスラエスに着くとまず気づくこと。それは、猫がたっくさんいること。街中はどこを見ても、猫・猫・猫・・・。

それもそのはず。イスラエルは猫密度がかなり高い。
国としての面積は日本の約20分の1と小さいが、住んでいる猫は日本の1,000万匹に対し、イスラエルは200万匹。猫密度としては日本の約4倍にもなる。
このままのペースでいけば、数年後にはイスラエルの人口約800万人に猫の数が追いついてしまうとも言われている。

イスラエルに猫が増えた背景は諸説あるが、1920年代に始まったイギリスの任意統治時代に、ネズミ駆除のため多くの猫が持ち込まれたことがきっかけだと言われている。
増えすぎた猫はどうなる?
その猫のほとんどが今は野良猫。猫が増えすぎた分、野鳥などの希少な動物たちの数が減ってしまった。
イスラエルは国民の70%以上が、動物虐待に対して厳しい法律があるユダヤ教の信者であり、動物に対して慈悲と理解があると言われている。

そのためか、今のところ自治体による殺処分での猫の頭数管理は一般的には行われてはいないようだ。
野良猫はそこらじゅうにいるが、同時に野良猫にご飯を与える人の多さと、玄関前に置かれた猫のご飯入れの多さにも驚く。

動物保護団体による地道なTNR活動(野良猫をTrap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す活動)は行われてはいるものの、その規模は猫の数と比較するとあまりにも小さい。
大規模なTNR活動が求められる
これに対し自治体は、様々な施策を試みている。
イスラエル最大の都市・エルサレムでは最近、従来のゴミ処理システムを変更し、地下にゴミが溜まるようにした。これにより、猫の主なご飯どころとなっていたゴミ箱が路上からなくなった。(この変更の理由は猫以外にも、溢れるゴミ問題が背景にあった)

ご飯どころが少なくなってしまった猫のため、猫のご飯場所を設置。エルサレム市長は今年1月、ご飯場所で与える猫のご飯代として、年間約300万円の予算を盛り込んだことを明らかにした。月に約210袋、年間で2,500袋のご飯になる。
そして、これまで自費で猫にご飯を与えていた住民向けに説明会を実施し、今後は猫のご飯場所を使用するよう促している。
中央地区にある都市 ペタフ・ティクヴァでは、猫のための公園が建設される予定だ。
どちらの施策も、猫が生活するエリアを意図的に集中させることで地域の猫たちを管理しやすくしようというものだが、実際は「これだけでは全然猫は減らない」というのが大方の見方のようだ。
動物福祉に詳しい専門家は、自治体と動物保護団体が協力して行う大規模なTNR活動キャンペーンの実施のみが、現実的な解決策だとしている。

今後のイスラエルの動きに、注目したい。
最後まで読んでくれてニャりがとう♡こっちも読んでみて。
▼ 他の猫街はたくさんいる猫とどう付き合っているのかな?
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