イギリスは政治もゴタついているが、そこに務める猫同士もゴタついているようだ。
イギリス外務省の公式職員、猫のパーマストン
イギリス政府に務める猫といえば、おなじみ、首相官邸住み込みでネズミ捕獲長として働く猫のラリーが有名だ。

本日のニャースでも度々取り上げているが、米トランプ大統領の訪英時には大統領専用車両「ビースト」の下に潜り込んで体を張った抗議をするなど、ラリーの発言や行動には世界中の報道陣が注目している。
▼ ラリーなら、やってくれると思ってた。
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しかし、イギリス政府にお勤めする猫職員は実はラリーの他にもいるのをご存知だろうか。
イギリス外務省には、公式ネズミ捕獲長として務める、白黒猫のパーマストンがいる。

首相官邸にラリーがネズミ捕獲長として2011年に就任。そしてその頃、外務省職員の猫が外務省に時々遊びに来ていたこともあり、外務省は「猫、いいな。うちも猫、欲しい 」と外務省にもネズミ捕獲長の職位を導入することを決定。
保護猫だったパーマストンが、2016年に正式に外務省の公式ネズミ捕獲長として就任した。

なお、ラリーもパーマストンも政府ニャンコになる素質としては「大胆で堂々としていて社交的」な性格を元に選ばれたという。
実力派のパーマストン、でも実は深刻な問題行動も
就任後、メキメキとネズミ捕獲長として頭角を現してきたパーマストン。
就任後1ヶ月足らずで最初のネズミ捕獲に成功したと大きく報じられた。一年半が経つ頃には、確認できる限りで27匹ものネズミを捕獲し、外務省をネズミという世界的脅威からお守りするという輝かしい功績をあげた。

一方でラリーは就任後早々に「殺し屋としての能力が明らかに欠如している」と噂されてきた。というのも、ネズミ捕獲にかける時間よりもお昼寝をしている時間のほうが長いと目撃情報が多数寄せられたのだ。
ネズミ捕獲ではラリーより実力は上とされる、実力派のパーマストン。しかし過去2018年には、ネズミ捕獲長にあるまじき深刻な問題行動を起こし批判があがっていた。

繰り返される内部バトル
ネズミ捕獲のお仕事にはあんまりやる気がなく、気難しく凶暴な首相官邸のラリーと、実力はあるがやんちゃな問題児、外務省のパーマストン。実は、2匹は仲が悪い。

ラリーとパーマストンが鉢合わせた際には、緊張が走る。ある日は、にらみ合いからのMAXのシャー!、そしてネコパンチ(爪あり)を互いに連打する、強烈なキャット・ファイトに進展してしまった。

駆けつけた武装警察官によりケンカは止められ、引き離されたが、両者が負った傷はあまりに深かった。
ラリーは英政府に務める証のユニオン・ジャックの首輪を無くし、パーマストンは耳にケガを負った。戦場に残されたフワフワな毛の一部が、そのファイトの激しさを物語っていた。

その後も内部バトルは度々報道陣に目撃された。一部では「首相と外務省の不仲を反映している」と言われている。
新首相が就任し注目が集まるイギリス政治。政府に務める猫の動向にも、注目したい。

▼ これもある意味政府ニャンコ