猫による国家非常事態宣言が発動されそうです。
猫スパイをした猫、マイルを没収される
事の発端は先月末。ざっくり言うと、こんなところである。
- ロシアのネコメンであるミハイルさんと愛する猫のビクターが一緒に飛行機座席に乗ろうとしたが、
- 「2キロの体重オーバーなので猫は貨物室へどうぞ」と航空会社に座席への搭乗を拒否された。
- しかし翌日、ビクターに似た痩せた影武者猫でチェックイン。後にビクターとすり替えて無事にビジネスクラスに搭乗。
- ミハイルさんはその猫スパイの成功を今月6日、自身のFacebookに投稿し世界中で話題になった。
詳しくは:おデブで搭乗拒否された猫、痩せた影武者を用意しビジネスクラスで快適な空の旅を楽しむ

ミハイルさんと猫のビクターの影武者作戦の成功に、多くの人々が「よかったね!」「すごい!」というポジティブな反応を見せるなか、2人を乗せたロシアの航空会社(アエロフロート)はそのルール違反行為を深刻に受け止めた。
実際に空港内で “猫をすり替える” 猫スパイ行為が行われる様子を監視カメラで確認できたということから、罰としてミハイルさんがこれまで貯めた全てのマイルを没収した。そのマイル数は37万マイル、結構なマイル数。
だが、これを発端にロシアが燃えた。

ロシア猫好き「猫はそもそも貨物ではない」
世界で一番猫好きが多いと言われる超・猫大国のロシア。ミハイルさんと猫のビクターを罰した航空会社は、ロシア全土の猫好きから逆に反感を買ってしまい大炎上。
ハッシュタグ「#бронебагаж:この相棒(猫)は貨物ではありません」が生まれ、ロシア猫好きによってSNSで大規模な抗議キャンペーンが始まった。
▼ 太っちょ猫を乗せた飛行機で航空会社のロゴが作成された。
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▼ 航空会社による処罰を逮捕と比喩した画像。
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▼ 「わたしの猫、わたしのルール、わたしのマイル」
Соцсети реагируют быстро на тупизм @aeroflot‘а: pic.twitter.com/C4QInTwbOV
— Мuд Роисси (@Fake_MIDRF) November 13, 2019
紹介した以外にも、まだまだある。
政治家も巻き込まれる国家事態に
しかし2人の肩を持つのはネットの猫好きさんたちだけではない。
CBCによると、ロシアで副議長を務める政治家のウラジミール・ブルマトプ氏は「現規定は厳しすぎる、規定を緩和し処罰を撤回してはどうか」との提案書を航空会社のCEOに送ったとテレビで話したという。
こうなると、生粋の動物好きとして知られるロシア首相のプーチンさんのコメントが気になるところだが、「関与しない」と発表した。(誰か聞いたんだね)
▼ 「 “官邸は猫の件についてはコメントできないし、するべきではない” と官邸広報がコメントしたと伝えられた」
“I don’t think the Kremlin can or should comment on a situation regarding a cat,” Putin’s spokesman Peskov was quoted by RIA.
— Leonid Ragozin (@leonidragozin) November 13, 2019
また、ミハイルさんと猫のビクターを応援したいと多数の企業がスポンサーを申し出た。
提供されるものは、1万マイルが加算されたクレジットカード、一年分の猫フード、上限なし無料のタクシーチケットなど、たっくさん。2人は事実上のセレブとなった。
猫大国ロシアの猫パワーすごい
ミハイルさんはこの航空会社からの処分に関して「ルール違反をしたのは間違い無いので、処分に応じます」と控えめな対応。
没収されたマイルは37万マイル、普通であれば到底達成できないマイル数であるのは、ミハイルさんが航空会社をよく利用していたお客さんだったから。そのお客さんからマイルを没収してしまうとは、なんとも皮肉。

航空会社の対応について、あるメディアは “Facebookという公の場でルール違反行為を自慢げに暴露された” ことに航空会社が腹を立てたのではないかと推測している。
安全のために規定が存在し、どこかで線引きをしないといけない以上、「どんな猫でも座席に!」とは言えないが、航空会社の対応は処分以外にもチェック体制を見直すとか他の方法はあったんじゃないかな。
しかしそんなことよりも何よりも、今回のミハイルさんと猫のビクターの猫スパイ行動を見て思うのは、ロシア全土を揺るがす非常国家事態になってしまった “ロシアの猫好きさんたちのパワー” な気がするよね。
▼ 「ロシアは世界で一番、猫の飼育率が高い。ロシア人は猫を愛している。決してロシアで猫を敵にしないこと。」
Russians have the biggest number of cats per person in the world. Russians love cats. Your never go against cats in Russia. https://t.co/RzL6QwFpqx
— Anton Barbashin (@ABarbashin) November 14, 2019
最後まで読んでくれてニャりがとう♡こっちも読んでみて。
▼ 一度は行ってみたい、猫大国ロシア!
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