戦乱のシリア。空爆の被害をうけてもなお、猫の命を助け、守り続ける男性。「私は世界一幸せ」

戦乱のシリア。空爆の被害をうけてもなお、猫の命を助け、守り続ける男性。「私は世界一幸せ」

2011年の「アラブの春」をきっかけに始まったシリアの内戦。

8年が経った今、内戦は最終局面を迎えていると言われるが、その被害はとてつもなく大きく、ヒトだけではなく多くの動物にも及んだ。

戦場で猫を救い続けるネコおじさん

シリア北部にあるシリア最大の都市、アレッポ。かつては貿易で賑わい、多くの人々が行き交う街だったが、内戦により大半の住居や建物が消失した。

しかし、戦場となったアレッポで、猫の保護施設「アーネスト・キャット・サンクチュアリ(Ernesto’s Cat Sanctuary)」を運営し猫を救済する心優しい猫好きの男性がいる。

みんなからは「アレッポのネコおじさん」と呼ばれ親しまれている、モハメド・アラ・ジャリールさんだ。

戦場で猫を救済し続けるアレッポのネコおじさん

戦場で猫を救済し続けるアレッポのネコおじさん

もともとは、電気技師として働く普通の猫好きのおじさんだった。2011年に内戦が始まってからは、救急車の運転手として働き、それで得たお金を使って家族やお家を失った猫のお世話を始めた。

勢いを増す戦火。多くの人々が国外への避難を余儀なくされ、一緒に住んでいた猫や犬を手放さざるをえなかった。数匹だった猫のお世話から、一気に数は増えたが、モハメドさんは一匹残らずお世話をし続けた。

戦争によりインフラが絶たれ、ご飯代がとっても高くなったときも、お世話は続けた

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モハメドさんの活動は、国外から戦場の様子を伝えるために来ていた多くの海外メディアの注目を浴び、大勢の人々の心を動かし寄付金が集まり始めた。

そして2015年、モハメドさんが夢の夢が叶ったー。アレッポに猫の保護施設をオープンしたのだった。

傷つき、行き場を失ったのはヒトもネコも同じ

傷つき、行き場を失ったのはヒトもネコも同じ

100匹以上の猫が施設には住んでいた。近隣の子供たちも遊びに来た。日々爆撃に怯える子供たちは、フワフワな猫をナデナデすることで心が安らいだに違いない。

施設は空爆の被害に

しかし2016年のある日、いつもは猫の平和な写真で溢れる施設のFacebookページに、猫の姿はなかった。

代わりに、「今日は猫の様子をお見せするこはできません。これが、今日起こっていることです」とコメントと共に爆弾が落ちてくる様子を撮影した動画が投稿された。

施設も、空爆の被害を受けた。当時は170匹程度が暮らしていたが、その多くが犠牲になった。

空から落ちてくる爆弾は、容赦なくその地の命を奪っていった

空から落ちてくる爆弾は、容赦なくその地の命を奪っていった

ギリギリまで粘って猫のお世話をし続けたモハメドさんとその仲間たちも、施設を離れざるをえなかった。無事だった猫を集めて、アレッポ郊外に避難した。

当時、モハメドさんはBBCの取材に対して「何があろうとも絶対に諦めません。彼らを守り続けると、誓ったんです。」と話した。

何があろうとも、守り続けてみせる

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一度は施設を失ったモハメドさん。しかし、世界中の支援者たちはモハメドさんの活動を応援し続けた。

そして、施設が爆破されて3年が経った2019年、アレッポの田園地帯で保護施設を再開した。しかも、前のやつより、だいぶ大きい施設だった。猫はすでに200匹以上いる。

みんなの想いが新たな施設としてカムバック!

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猫だけではなく、猿や馬、鳩や犬などどんな動物も受け入れる。「保護施設というより動物園だ」と苦笑を交えて話した。

戦場の保護施設には獣医は不可欠。多くの獣医が内戦開始後すぐに国外に避難してしまったため、施設に常駐してくれる獣医を見つけるのは本当に長い時間がかかったという。

治療した動物は一年で7,000匹にもなるとか

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未だ内戦により混乱の最中にあるシリア・アレッポ。空爆を受けるなどの困難にあいながらも、モハメドさんは自身を「天命に就くことができて、世界一幸せ」だと言う。

そして「猫も人間も、同じ光のもとに生きています。小さく弱い猫を愛することは、すべてを愛することです。」と、動物も人間と同じように救済される必要があることを話した。

人間も、猫も、おなじ大事な命だから

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施設への寄付はコチラ(英語サイト)。

写真:Ernesto’s Sanctuary for Cats in Syria

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