人のいざこざに巻き込まれるのは、ごめんだ。
総選挙に隠された本当の戦い
イギリスで2016年に国民投票でブレグジット(イギリスのEU離脱)支持派が僅差で勝利した。しかしその後に「本当にいいの?!」とEU離脱の是非を問うような動きがでたりして、3年経っても一向に進まないブレグジット。
こじれにこじれ、当時の与党党首であったテレサ・メイ前首相は期限内にブレグジットを実現できなかった責任を問われ辞任。
猫が次期首相になるとも言われたよね:
英メイ首相が辞任。国民が注目するのは首相官邸の公式ネズミ捕獲長の猫のラリー!
後任のボリス・ジョンソン現首相はブレグジット推進のため、2022年6月に予定していた総選挙を今月12日に前倒しで実施。
「Get Brexit Done(ブレグジットを終わらせる)」という強いスローガンを掲げるボリス・ジョンソン現首相が率いる与党の保守党と、もう一度民意を問うべく国民投票の実施を訴えるジェレミー・コービンが率いる最大野党の労働党の戦いとなった。

しかし、この人々の政治のいざこざの裏側で起こっていた本当の戦いをご存知だろうか。
それは、【猫 VS 犬】である。
時には親友のように仲良しになる猫と犬。しかし「猫こそお家で最も愛されるふわふわアイドル」という決定的事実に関して、犬はどうやら納得していない模様。
イギリスの総選挙で、決着をつける時がきた。

猫派と犬派、決着をつけよう
与党である保守党のボリス・ジョンソン首相は、首相官邸で “ネズミ捕獲長” として勤務する猫のラリーの反対を押し切りつつも、犬のディリンを官邸に迎え入れた生粋の犬派。
詳しくは過去ニャースで:
英ジョンソン首相、犬を首相官邸に迎える。ネズミ捕獲長の猫ラリーとの対立に懸念広がる。
🗳🇬🇧🌳 #dogsatpollingstations #VoteConservative pic.twitter.com/m7l5iT7Qa3
— Conservatives (@Conservatives) December 12, 2019
一方で、最大野党である労働党のジェレニー・コービン氏は自身のtwitterに愛猫であるエルガトを登場させるほどの猫好き。
Zoom in on my watch. pic.twitter.com/IQbxiOZYdz
— Jeremy Corbyn (@jeremycorbyn) December 12, 2019
犬派であるボリス・ジョンソン率いる保守党対、猫派であるジェレミー・コーベン率いる労働党の戦いは加熱。一部の犬派(保守党派)のメディアはジェレミー・コービン党首の猫のエルガトまでもやんわり批判するまでに。
これに対しジェレミー・コービン党首は「すべての批判は受け入れる。しかし、猫のエルガトへの批判されても・・・猫はなんと言い返したらいいのだ?!」と怒りのコメント。
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今回の総選挙の論点はブレグジットの是非であったはず。しかし国民、いや世界の関心はすっかり【犬 VS 猫】になってしまったに違いなかった。
猫、投票を拒否
そして【犬 VS 猫】の政治争いは、お茶の間の犬猫も巻き込むことになる。
投票には自身の犬を連れていく人々が現れ、SNS上には「#dogsatpollingstation」(犬、投票場行きます)のハッシュタグが生まれ、投票場で人の投票を健気に待つ犬の写真が次々と投稿された。
Zip and Popper #DogsAtPollingStation pic.twitter.com/NWbNcTfWA8
— Sarah Turner (@SarahGolf) December 12, 2019
Dont be fooled by the colour of his lead and collar #DogsAtPollingStation pic.twitter.com/b9sJo8tOOx
— Lance Hopley (@Hoppers2) December 12, 2019
犬派を率いるボリス・ジョンソン首相も、愛犬のディリンを連れて投票場を訪れた。
Folks, today is the day. Vote Conservative to get Brexit done 🇬🇧 pic.twitter.com/tlLvHvmex7
— Boris Johnson (@BorisJohnson) December 12, 2019
これに対する猫派はどうか。
・・・もちろん「#catsatpollingstation」(猫、投票場行きます)のハッシュタグは生まれた。
しかし、投票場に現れたのはごくごく一部のお外フレンドリーな猫か、もしくはたまたまそこに居合わせた野良猫たちであった。
Quita would like to remind you and the dogs of the UK that her and the other cats also want you to vote today. | #dogsatpollingstations #UKElection #GeneralElection2019 #catsatpollingstations pic.twitter.com/bWrP99W4wM
— Quita the Kitty (@quitathekitty) December 12, 2019
I got hurried in and out of the door as this little guy kept trying to run in. #catsatpollingstations pic.twitter.com/U53c9OXJoH
— Crystal (@cirespring) December 12, 2019
粗方予想がついているように、多くの猫は投票場に行くのを拒否。選挙よりもお家でヌクヌク過ごすことを選んだ。
その結果、犬派のボリス・ジョンソン首相率いる保守派が大勝した。
It’s time for us to get this done and move this country forward. pic.twitter.com/LoZwO7ciyU
— Boris Johnson (@BorisJohnson) December 14, 2019
猫からすれば、人のいざこざに興味はないし、ましてや巻き込まれるのはごめんだったに違いない。そもそも「猫が最高」なのは疑う余地もなく、それに選挙は必要ない。
犬は事実上の不戦勝をした。
勝利したボリス・ジョンソン首相は2020年1月31日予定しているEU離脱を進め、その後11ヶ月間の「移行期間」に入る。
しかしまだまだ多くの難題が残っていると言われるブレグジット。こじれるイギリスとそれに巻き込まれる猫犬たちに、これからも注目したい。
*一部ジョーク混じりでお送りしています。犬派猫派と支持政党は関係ありません。
最後まで読んでくれてニャりがとう♡こっちも読んでみて。
▼ 首相官邸のラリー捕獲長は、今回の選挙に関してどうコメントするのかな。
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